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還流独歩

記事の管理 2011.12.08

ここ数日、また片付けのようなことを少し行なっている。良く言えば資料の整理であり、悪く言えばゴミ捨てである。その中でも特に、これまで書いて来た記事やコラムといったものを一まとめにしたいと思って来たのだが、その作業をずっと怠って来た。気になるのに、行動に起こさないという、もっとも良くない状況だ。

私が書いた記事などが掲載されている紙媒体の情報誌は、幸い、ほとんど手元にある。それらの一部は、掲載されているページだけを切り取って、簡単にコピーが取れるようにしてあるのだが、残りの大半は、掲載された号の中に納まったままの状態が続いている。この状況を、どうしても打破したかったのだ。

原本を雑誌の状態で残しておくことは大切だから、掲載された雑誌は、いつも数部、送ってもらうようにしている。でも今回、手元に一冊しか残っていなくても、自分が書いた以外のところを思い切って捨ててしまうことにした。大変に失礼なことなのだが、眠ったままの雑誌が本棚に残っていること自体が、次第に憂鬱になって来たのである。

そこで、表紙と目次、自分が書いた記事だけをまとめることにした。多忙な作家ではないし、書くことを生業としているわけではないから、量的には少ないのが、いざ始めてみると、この作業は意外と難しくて時間がかかるものである。薄い機関誌のようなものでも、糊付されている背表紙部分から切り離すのは簡単ではない。

切り取った部分は、すべて透明の袋に入れて、一つのファイルに入れ込んだ。表面は表紙で、裏を返すと記事の最初のページが読めるように入れた。記事だけ集めても殺風景なのだが、表紙が出そろうと、なかなか見栄えが良いことがわかった。これで、いままで書いてきた文章の8割を奇麗にまとめることができた。

一つ一つの記事を見直してみると、量は決して多くはないのだが、それなりにいろいろと書いて来たように思う。しかも書いたときの自分の状況を想い出してしまうのである。文章というのは面白いもので、自分のことを書いた内容ではないのに、あとから読み返すと、そのときの自分に出会うことができるから不思議だ。

ずっと読み返していると時間ばかりが過ぎるので、「一人懐かしむ会」に入り込まないようにしたのだが、午後に始めた作業は、夜9時を過ぎてようやく終わった。あとは東京に残してある分をまとめれば、ほぼでき上がりである。ここ数年、ずっと気になって来たことだったので、これで気分がとてもすっきりした。明日は別の作業に取りかかろう。

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