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還流独歩

暖房の方法 その3 2012.01.20

エクセルギーの勉強をしていたとき、電気というのはエネルギーの質が非常に高く、エクセルギーの塊のようなものであることを学んだ。詳しい説明は省くが、その理由を簡単にいえば、電気というのは、さまざまな用途に使えるからだ。照明を点灯させることもできるし、何かを動かす動力にもなる。そのまま発熱させれば、高温になって熱として利用することも可能だ。お湯を電球に注いでも電気はつかないし、扇風機にかけても羽根は決して回ることはない。

他にも質の高いエネルギー源がある、化石燃料と太陽だ。化石燃料の素晴らしいところは、熱を生み出すことができることだろう。まさに熱源そのものである。先程、石炭の話をしたが、あいにく黒いダイヤと呼ばれる燃焼する鉱物ではは、車を効率的に走らせることは難しい。おそらく技術的には十分に可能だとは思うが、蒸気機関車のように大きくなり過ぎて使いものにならないだろう。やはり液体の原油には叶わないのだと思う。

そう考えると、石炭では飛行機を飛ばすことも不可能に近いだろう。蒸気機関を乗せた飛行機というのは想像できない。あるいは電力だけで、重い機体を浮上させることも考えにくい。もしかしたら、いつの日にか電気飛行機というものが開発されることも絶対にないとはいえないが、何百トンもある飛行機を何時間も飛行させることは、果たしてできるのだろうか。それを可能にした液体の化石燃料を使った技術というのは、本当に凄いことなのだと思う。

もう一つの質の高い熱源である太陽は、地球上のすべての生命を支えている。この地球を温めることが可能な太陽からの日射エクセルギーというのは、想像さえできないくらいの巨大なものである。いま、地球温暖化が叫ばれているが、おそらく太陽の活動が低下すれば、地球は寒冷化に向かうのではないかと私は思っている。自分で研究したわけでないが、直感的にそうなるのではないかと感じている。地球は太陽の活動に大きく左右されるはずだ。

ここまでいろいろと書いて来て気がついたが、結局のところ、地球上にある熱源を大別すると、「地下資源の化石燃料」と「地上資源である自然エネルギー」の二つしかないことになる。前者は、車を走らせ、飛行機を飛ばすこともできる質の高いエネルギーだ。では、後者は質の低いエネルギーと言い換えられるのかもしれないが、地上で得られる日射などは質が高いから、一概には決めつけられないようにも思う。

話を電力に戻すと、先述したように、化石燃料を燃焼させることで得られる電気というのは、まずは照明や動力に用いるべきだろう。化石燃料→燃焼→発電→熱というように、電力を熱として利用する場合は、貴重な地下資源の使い方として、実にもったいないと思うからだ。自分で電気ストーブを使っているからこそ、多少の罪悪感さえ感じている。それなら灯油か、あるいはガスを直接燃やす方が損失が少なくて済むからだ。

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