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夕べ、少し遅い時間になって雨から雪に変わった。久しぶりの大雪である。気温の低いときに降るような粉雪ではなく、大きな牡丹雪だ。差している傘にもすぐに積もってしまうくらい降っている。これは東京も大雪で大混乱になるのかと思ったが、深夜になって雪は上がってしまった。都心はいつになく静かである。

今朝、泳ぎに行くときに、不覚にも、2回ほど足を滑らせそうになった。いつだったか書いたが、札幌生まれの道産子の一人として、雪道で転ぶなどという、はしたないことなど絶対にできない。しかし、東京の凍った道は非常に危険で、実に侮れないのである。北海道の雪道とはまったく違う面を持っているから恐ろしい。

まず今回は、気温がそれほど低くなかったから、中途半端に融けてしまい、そして外気温が低くなる明け方にはすべて凍ってしまった。場所によっては、まさに氷の上を歩くことになるのだ。黒いアスファルトの上で透明に凍ってしまった雪は意外と見え難かったりするから、とても危険である。

北海道では、真冬になると根雪になってしまい、圧雪状態になっていることが多いから、逆にそれほど滑ることはない。ただ、人の行き来や交通量が多い道路では、歩道も車道も雪が融けたり凍ったりするから、思わぬところで足を滑らせることもある。でも、北海道の人は転ぶことはない。そんなに簡単に転倒していたら身体も病院も持たないだろう。

滑らない雪道の歩き方があるのかと訊かれれば、多分あるのだろうけれど、子供の頃から自然と身に付いているものだから、 どのように歩けば良いのかを説明するのは極めて難しい。しいて挙げれば、滑りそうなところと、そうでないところを見分けることができる。あとは踵(かかと)ではなく、足の裏全体で雪を捉えるように歩くことだろうか。

そういえば、子供の頃に聞いた笑い話を思い出した。雪道で転倒してしまった女性のもとに、男性が急ぎ足で駆け寄った。「大丈夫ですか？」と訊くのかと思ったら、その人は前屈みになり、両腕を大きく真横に広げると、「セーフ！」と言って立ち去ったとか。そんな冗談で済まされる転び方なら良いが、骨折をしたら本当に洒落にならない。

この冬、また大雪が来て、路面が滑りやすくなることがあるかもしれないから、「セーフ」と言われることのないように気をつけたいものである。