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還流独歩

飛行機の中の壁 その1 2012.03.07

出発の準備は夕べのうちに済ませた。タクシーの予約は9時なので、時間には多少の余裕があるものの、早めの4時半に起きる。出発の日は、いつも朝一番に泳ぎに行くのだが、今日はストライキで、プールが休みということなので諦めるより他ない。浴室を掃除して、書類を片付け、空瓶を外の回収コンテナへ捨てに行き、冷蔵庫の中を整理していると、時間はあっという間に過ぎて行く。そして、日本へメールを送ったりしているうちに8時半になった。

重いスーツケース先に一階に降ろす。そして、そろそろ最後の荷物をまとめようとしたところで呼び鈴が鳴った。タクシーだ。9時の予約なのに、8時48分に来た。少し早すぎるだろう。いつものように自分の流れで出発したかったが、いきなり急かされてしまった。まあ、仕方ない。隣りの集合住宅の一階に住む年配の女性とは顔なじみで、よく立ち話をするのだが、昨日、朝9時にタクシーを頼んであると伝えたら、ご丁寧にも窓から顔を出して見送ってくれた。

タクシーがあまりにも早く来たお陰で、ケルン中央駅には、ICE新幹線の出発まで1時間近くも前に着いてしまった。こここでチェックインを済ませて、入口近くにある席で少し作業をする。あたり前のことだが、このカウンターには、いろいろな国の人が来るので、その様子を見ているのも面白い。全然関係ない人が入って来て、お手洗いはありますかと訊いている。窓口の女性は、丁寧に駅の中のお手洗いの場所を英語で説明していた。余談になるが、駅のお手洗いの使用量は値上がりして、いつの間にか1ユーロになっていた。

フランクフルト空港には時間通りに着いた。隣りに乗り合わせた男性と少し話した。これからワシントンに向かうと言う。私は東行きで、東京だとと伝えると、ワシントンで日本から来る同僚3名と打合せをするとのこと。しかも日本にも5、6回ほど来たことがあるらしい。築地でお寿司を食べた話をしてくれた。ホームから空港へ行くときも、荷物を運びながら、話を続けた。京都も良かったと言いつつ、彼は短い挨拶を残して、駅の中にある搭乗手続き窓口へと向かって行った。

さて、問題は毎回のごとく荷物の重さである。今回もお土産をそれなりに購入してしまい、重量超過が微妙に気になる。出発前に全部を詰め込んで、何度も持ち上げてみるが、明らかに30kg弱はありそうだった。空港で荷物を詰め直すのは避けたいので、手荷物のリュックザックに入れることにした。書類、お土産のチョコレート、PCの電源アダプターなどを詰め込んだら、肩に食い込むくらいものすごく重くなった。一方、スーツケースは24kgくらいになっただろうか。いや、25kgはありそうな気がしていた。

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