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還流独歩

飛行機の中の壁 その2 2012.03.08

さて、今回はどうかと不安を抱えつつ、荷物を預けるときに重量計を見たら、ちょうど22kgだった。重さの制限は、一つが23kgまでなので、何の問題もなかったのだ。リュックザックの中身を出して、そちらに入れ替えようかと思ったが、面倒なのでやめた。あと2、3kgくらいは、スーツケースに入れても問題なかったことがわかってしまい、何だか損をしたような気分になった。持ち上げたときに感じる肉体的重量計に読みの切れがなくなってしまい、少し誤差が生じたが、これも仕方あるまい。

最後尾に近い席は何やら若者で一杯だった。しかも、私の席に女性が座っている。訊いてみると、通路を挟んで、友人と隣り合わせに座りたいというのだ。私は一人だし、通路側であればどこでも良いので、近くにいた日本人の客室乗務員に、どこか空いている席があれば、あとで案内して欲しいとお願いした。乗客全員が搭乗が完了すると、4席全部が空いている列があることがわかった。しかし、そこは目の前に壁がある席だった。ここは足が伸ばせないのだ。決して長くはない足だが、座っているときに伸びができないのは長時間の飛行では辛いだろう。

そこで意を決して、前の方を見に行く。長い機体の前方まで行くと、最前列に4席とも空いている列が4つあった。ここに移動しよう。一旦戻って、荷物を持ち、客室乗務員に声をかけてからそこへ行くと、4列のうち、3列は他の人に取られていた。空いているのは、また目の前に壁がある席だった。気分がかなり暗くなったが、こんなときは、そういうものなのだ。ともかく、4席全部が空いているのだから、ものは試しで、ここで過ごしてみよう。

この席の前ある壁は、4席分の幅一杯にあるのではなく、少し狭いので、端の席に座れば、足が伸ばせることがせめてもの救いだろうか。しかし、他にも問題がたくさんあることがわかった。我が侭な人だと思われるに違いないが、次回のために、ここに列記しておこう。一つ目は、いま書いたように、足が伸ばせないことだ。座ってみてたが、やはり辛い。今回は4列すべてが空いているから良いが、満席だと足がしびれてしまうかもしれない。

二つ目は、前に席がないので、荷物をその下に入れられないことだ。だから手元に置いておきたい荷物も、離発着のときに上の棚に入れなければならない。日本人以外の客室乗務員は、床に置いた荷物を見逃してくれることも多いのだが、日本の人だと必ず指摘されてしまう。今回もその通りだった。仕方ないので、指示に従う。前に席があると、座席の下に、荷物を入れたり、脱いだ靴が置けて便利なのだが、この席ではそれができないのである。

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