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還流独歩

水のアジア その2 2012.07.07

いまさら言うまでもないが、その水を活かした農業が稲作である。田んぼを耕し、水を張り、苗を植え、手入れをして、そして一年に一度の収穫の秋を迎える。年に、たった一回しかない。それを考えると、稲作に従事している人は本当に大変だと思う。でも、「日本食」という文化の根底にある実に素晴らしい営みの一つではなかろうか。いまや米づくりにおいても、地下資源の消費が前提ではあるが、太陽と水と大地がなければ米はつくれない。

もともと農業には関心があったし、エントロピーやエクセルギーの勉強をし始めた20年くらい前には、そういった関連の本も少なからず読んではいた。でも最近になって、「食」というのは、本当に大切なことだと改めて感じるようになった。あたり前のことだけれど、生き物は、大地でつくられたものを食べて生きている。いまは宇宙食のようなものもあるけれど、野菜も果物も穀物、あるいは肉なども、そのほとんどが、直接、あるいは間接的に大地から生まれるものばかりだ。

繰り返しになるが、地球が持つ機構というのは、実に良くできていると思う。遠い太陽からやって来る暖かい陽射し、無数の微生物がいる土壌、大地を潤す雨、適度な気温や湿度の変化などがあってこそ、作物は育つわけであり、それは人間が生み出して来たものではない。むしろ、人間そのものが、地球という惑星によって生み出され、そして育て上げられてきたと考えても良いのかもしれない。それは、奇跡的なことだとさえ思えて来る。

今日は、水の文化について書こうと思っていたのだけれど、ここまで書いたら何だか気持が一杯になってしまった。標題と内容が噛み合っていませんが、どうぞお許し下さい。

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