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還流独歩

米と麦と食べること その2 2012.07.09

以前にも書いたけれども、こんな食事の文化は、人間の思考回路に密かに影響を与えているのではないかと思っている。それは、ご飯とパン、あるいは米と麦のどちらが正しいと決めつけることではない。ただ単に、食べ物というものが、いろいろなものごとの考え方と、密接な関係があるのではないかと思えるのだ。

そして私はさらに考える。欧州の主食が、急に「ご飯」になり、日本やアジア諸国が、パンを主食とする生活になったら、どうなるのだろうか。この10数年の間に、日本食は世界に急速に広まり、寿司の美味しさを、多くの人が知ってしまった。その奥深さを知ってしまった人は、それまでの思考方法が少しは変わっただろうか。

また逆に、日本にもパンは幅広く普及してきたが、それは第二次世界大戦後のことであろう。では、パン食が増えるに連れて、日本人の考え方には、何か変化があっただろうか。それを検証するのは極めて難しいと思うけれど、最近になって「食育」が取り沙汰されているから、日々の食事が、人間形成に少なからず影響を与えているに違いない。

何だか今日も支離滅裂な内容になっているが、スーパーマーケットやコンビニエンスストアに並べられている「食べ物」を目にするたび、人間とは、生きるために食べ、食べることで生きるという行為を、ひたすら続けて行くものなのだと感じようになったし、毎日、食事を美味しく戴けるということが、実は途方もなく有難いことだとも思うようになった。

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