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ドイツへの連絡 その2 2012.07.17

余談になるが、ドイツでは、受取った手紙に日付印を押すことが多い。個人の場合には、あてはまらないかもしれないが、私がいた二つの設計事務所では、届いた手紙類には日付が入った四角い赤のスタンプを必ず押していたし、他の事務所でも同様のことをしているのを何度も見たことがある。書類の管理の徹底さは、ドイツ人が世界一かもしれない。

そんなことを考えながら、一通目のメールの返信を終える。これだけで、30分以上はかかったと思う。友人宛のメールでも、ドイツ語で書くときには意外と時間がかかるものなのだ。近況を知らせる軽い内容であっても、書き始めると、表現方法や文法にも気を使う。ありきたりの表現にもしたくはないと思うと、書いている時間は長くなる。

二通目以降は、すべて、ある依頼の連絡である。これもまた、簡単には書けない内容だ。もちろん、こういったメールは、これまで何度も書いてきたから慣れてはいるけれど、初めて連絡をとらせてもらう機関ヘ送る場合は、それなりに丁寧な表現を使う必要があるし、また、その内容も簡潔で読みやすいものでなければならない。

何度も読み返し、明確な文章になっているか、あるいは同じようなことを繰り返し書いていないか、読んだ相手に失礼な内容が含まれていないか、そして、すぐに返事をもらえるような丁寧な投げかけ文を書き添えてあるかを確認する。そんなメールを5通書いたら、それだけで何時間もかかってしまった。

メールとはいえ、手紙のような内容だから、それだけで疲れたが、それでも気分が少し軽くなった。まずは、返信を待つことにしよう。

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