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還流独歩

実弟上京 その1 2012.07.18

昨日の午後のことである。実弟からメールが入った。急遽、東京に来ていて、午後の会議を終えたあと、夕方以降なら時間が取れるという。せめて前日にでも知らせてくれたら、多少なりとも都合がつけやすいのだが、本人にも事情があるのだろう。終わらせたい作業は山ほどあるが、折角なので会うことにした。

この場でお伝えしたことはなかったと思うが、私には3つほど年下の弟がいる。郷里の北海道の某所で、それなりの仕事をしている。職業柄、国内だけでなく、海外の出張も多いらしい。東京でも、これまで何度も会う機会があった。ただ、互いの都合が付かず、すれ違いのときもなかったわけではない。

19時過ぎ、都内某所にて落ち合う。行き先は、安い居酒屋だ。兄弟で気取ったところに行くほど野暮なことはないだろう。知人に教えて頂いた居酒屋は、まだ時間が早いのか、ほとんどの席が空いていた。聞いていた通り、ビールが格安である。安い料理もたくさん有り過ぎて、逆に味の方が心配だが、そんなことを詮索するほどでもない。

乾杯のあと、とりとめのないことを話す。互いの近況報告をしつつ、注文した料理が熱いとか、見た目より旨いだの、そんな他愛もない話で時間が過ぎて行く。夜8時半を回った頃から、人が次々に入って来て、いつの間にか、店内は満席に近い状況になった。煙草を吸う人も多いようで、湿気と煙草の煙で、空気がよどんでいるのがわかる。

たいして酔ってもいないのに、後半は、何を話したのか、よく覚えていない。忘れてしまうくらいだから、大切なことなど、特になかったのだと思う。会計を済ませ、途中まで地下鉄で一緒に移動する。明朝は、羽田発の7時台の飛行機で北海道に戻るという。忙しい行程だが、日帰りよりかは良いのかもしれない。

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