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還流独歩

横浜と神戸とハンブルク その2 2012.07.31

そしてようやく「ハンブルク」の話だが、個人的にかなり好きな街である。もし時間があって、南のミュンヘンと北のハンブルクの、どちらに行ってみたいかと訊かれたら、おそらくハンブルクと答えると思う。やはり大きな港があることが大きいかもしれない。ただ、ハンブルクは北海には面していない。エルベ川の河口から70kmほど内陸に位置しているから、港町というのは正確ではないが、幅の広いエルベ川は海かと思わせるくらい大きいのである。

では、この街が、横浜や神戸と同じような雰囲気を持っているかというと、それは比較のしようがないかもしれない。いわゆる巨大な波止場街という点では似ているし、異文化を受け入れてきた背景も酷似しているのだが、大きく違うところは、漁港でもあるということだろうか。横浜や神戸も魚は水揚げされると思うのだが、浅学な私は、日本のこの両都市を、そのようには感じ取ってはいない。魚を扱う朝市などは行なわれているのだろうか。

ハンブルクは、欧州でも最大級の貨物港であり、また北欧の中でも有数の漁港の一つである。どちらかというと貿易港としての印象が強いが、魚介類を中心とした大きな朝市も開かれているし、魚をあまり食べないドイツにおいて、郷土料理といわれる魚料理が旅行案内書にもいくつか載っている。これまで何度か食べたが、決して不味いわけではない。ただ、日本食こそが世界一だという偏見のある私とって、その味は多少なりとも微妙ではある。

そういえば、以前、ハンブルクについて書いたことを思い出したので読み返してみた。今回の内容と重複する部分もあるが、日本の港湾都市との比較はしていない。いつものように何を言いたかったのか自分でも良くわからなくなっているのだが、港町には海とのつながりが感じられる独特の雰囲気が漂っていることは間違いないだろう。そして、こういう街は、昼と夜で表と裏の違いというものが、より顕著に現れるものなのかもしれない。

ハンブルクを語る上で一つ忘れてはならないものがある。それは、市内にあるアルスター湖だ。幹線道路と鉄道によって、内アルスターと外アルスターに分けられている。こんなに大きな湖というのは、横浜や神戸にはない。ハンブルクは、まさに水に囲まれた都市と言っても良いだろう。だから、ドイツの都市でありながら、少し北欧の薫りがするのかもしれない。いま、書いていて、そう思った。

以前にも書いたけれど、南ドイツだけでなく、北ドイツのハンブルクは、また違ったドイツの一面を見せてくれるように思うのである。少々、散漫な内容になってしまいましたが、今日も、お付き合いを頂き感謝申し上げます。

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