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還流独歩

現場着工と敷地形状 その1 2013.01.08

昨年12月に確認申請が下りた都内某所の某物件が、今日、本格的に着工した。本来なら、すでに工事が進んでいなければならないのだが、沿道掘削の申請や、水道、下水、ガス、電力といった関係各所との調整に時間がかかり、結局、年末年始は、まったく工事が進まない状況であった。

午前中、別の打合せのために移動していると、携帯に連絡が来た。敷地の形状が図面と違うというのだ。設計図書に用いた土地の形状は、建築主から頂いた情報をもとに作成したのが、私が実際に測ってみると、部分的に長かったり、短かったりしたことはわかっていた。こういったことは頻繁には生じて欲しくないが、実によくありがちである。

例えば、登記簿に記載の土地面積と、実際の測量に大きな隔たりが見つかることは意外と多い。建築確認申請に限って言えば、土地の形状など誰も確認はしない。確認申請とは、提出された設計図書における法的な問題点や不整合等を確認する行為であるから、変な話、実際の土地の寸法と異なる図面で申請することもできなくはない。

そんなことを、ここに書き込むと、「また建築士の設計偽装だ。けしからん!」と言われそうだが、設計事務所をはじめとして、設計に携わる者は、登記簿の寸法や測量図を参考にしつつ、自ら測り直して、設計図書を作成して行く。だから、建築士事務所が作成する土地の図面は、実際の形状に最も近似しているといっても良いのでないかとさえ思う。

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