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還流独歩

現場着工と敷地形状 その2 2013.01.09

話は戻って、結局、現場で測量し直してもらった寸法と、私が測定した値はほぼ同じであることがわかった。その最大差は、5辺のいずれも10mm以下だ。こういった質疑が上がって来ると、やはり自分で確かめておくことがいかに大切であるかがわかる。それは測量図面を疑うわけではない。あくまでも検証なのだ。

今回の物件は計画地の面積が狭く、幅が11m、奥行はわずか5m弱である。敷地の一辺が100mもあるのなら、10cm程度の誤差も問題ないかと思うが、都内の狭隘(きょうあい)地では、数センチメートルの差異が、取返しのない状況を引き起こすことも十分に有り得るから、その点は細心の注意を払っておく必要がある。

敷地の形状を早めに確認しておきたいということなので、タクシーで現場に向かう。結局、何も問題はなかったが、建設会社とは、こういった情報を共有しておくことは極めて大切であるから、今日の本格着工において、ちょうど良かったのではないかと感じている。事故もなく、工事が無事に終わるよう、設計者も尽力しなければならない。

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