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還流独歩

出発進行 その4 2013.02.25

余談だが、ドイツ語というのは、堅くて難しい表現の多い言語だと改めて思う。いや、習得の難しさだけで言えば、ロシア語やフィンランド語、ハンガリー語の方が遥かに難解な言語ではあることは間違いないが、ドイツ語を知らない人が、この言語を聞いたとき、遊びも隙間もないような響きに感じられる気がする。実際、ドイツ語をカタカナにしただけでも、何だか堅苦しくて、融通が利かなそうな言葉に聞こえるから不思議である。

話は戻って、もし、ドイツの運転士が、「ズィグナール・カイン・プロブレーム!」などと「声出し確認」を行なっているのを聞いたとしたら、自然と笑いがこみ上げて来てしまいそうだ。そんな私は変な人間かもしれないが、ドイツのことを少しは知っている人なら、多少なりとも共感してくれそうな気もしている。そして、「Das ist Lokführer / ダス・イスト・ロークヒューラー!(これが運転士だ!)」などと叫ぶことさえも想像してしまったりする。

さらに続けて、「Lokführer muss so sein / ロークヒューラー・ムス・ゾー・ザイン!(運転士はこうでなければならない!)」と言ったりすることも、絶対にないとは言い切れない。ということで、いつになく話が脱線してしまったが、そもそもの原因は「声出し確認」が気になったからである。それが悪いなどとは決して思わないが、「出発進行」という声を聞くたび、それにあてはまるドイツ語を探してしまったりするのである。

電車の運転士の皆さん、今回は失礼な内容で申し訳けありません。どうか、お許し下さい。

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