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還流独歩

建て方開始 その1 2013.03.01

先日、鉄骨検査をした物件の鉄骨の建て方工事が昨日から始まった。柱も梁も工場でつくられて現場に搬入されるから、今回のように4階建ての建物だと、ほんの僅かな日数で上棟を迎える。高さが12mほどだが、運搬における長さの制限があるため、柱は3階と4階の間には接合部がある。それ以上長いと運べないからだ。約二日で、最初の柱をすべて建てる工程が組まれている。

建て方は問題なく進んで行く。工事に支障がないかを確認するのは、15分程度もあれば十分なのだが、新しい鉄骨が運ばれて来ると、何だか気になって、吊り上げられて行く柱や梁の行方を、つい見てしまう。そして、施工会社の人に、「では引き続き宜しくお願いします」と言って現場を離れかけるのだが、鉄骨が組み上がって行くのを写真を取りながら、またしばらくの間、観察する。少し暖かくなったとはいえ、ずっと見ていると身体が冷える。

以前にも書いたかもしれないが、建築というのは、本当に多くの人がかかわってできて行く。いや、車に代表されるように、大半の工業製品でも同じことがいえるのかもしれないが、沼津の鉄工所でつくられた鉄骨の柱や梁が運ばれて来て、そして重機を使って吊り上げられ、次第に建築という形になって行く。あたり前のことなのだが、何だか不思議な感じがする。

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