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還流独歩

現場監理 その3 2013.03.11

今回、現場で起きたことは、人命にかかわるような取返しのつかないようなことではなかった。でも、お互いの信頼関係に疑問がつくきっかけにさえなりかねないことである。もちろん、それは自分自身にも返って来ることだから、一方的に相手を責めることなどできない。だからこそ、自分の気持も引き締めなくてはならないと思う。

そんなことを感じつつも、建築に携わっていると、互いに、持ちつ持たれつの関係だとも強く思う。それは馴れ合いの関係という意味ではない。それぞれ立場が違うから、その職務を全(まっと)うするだけである。ただ、そこには相手を信頼することによって得られる安心感が必要だったりする。

この人だったら任せておいて大丈夫だ、とか、彼なら先回りして解決してくれているかもしれないという期待感と依存感とでもいうのだろうか、そんな他力本願的な気持が沸いて来ないとも限らない。自分のことは棚に上げて、実に失礼なのだが、そんな関係が上手く行けば、現場も気持ち良く動いて行くのだと改めて感じた。

一つの建物が完成するまでに、自分自身も多くを学ばせてもらいながら、そして少しかもしれないけれど、一緒に成長して行きたいと強く思うのである。

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