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還流独歩

長期休載によせて その3 2014.06.09

誤解のないように補足すれば、その「隔たり」というのは、ときに自分自身の中にある「葛藤」にもあてはまる気がする。私は心理学者ではないが、人の気持の中には、対峙する見えない二人の自分が存在しているとでも言えようか。先述した「気持の引越」とは、その間に生じる感情の移ろいであり、振り子細工のようなものだったりするのかもしれない。

人は誰しも、気持が揺れ動くことが必ずある。良い方に振れるときもあれば、悪い方に傾くときもあるだろう。いずれにせよ、それはときに、必ず反動となって自分自身に返って来る気がする。そして、その振れ幅が大きければ大きいほど、もしかしたら、成長できる可能性が高まったりするのかもしれないと勝手に思ったりもするのである。

それにしてもこの一年間というのは、自分にとって、かつてないほど自分自身と向き合い続けた時間であった。それが良かったのかどうかはわからないが、今更にして思えば、極めて貴重な体験だったように思う。その間、陰で支えてくれたたくさんの人たちに対し、この場を借りて心から感謝する次第である。

そして、この環流独歩の行方がどうなるか、自分でもわからないのだが、この一年間に書き溜めたままになっているつたない文章がいくつかあるので、時間を遡ってでも更新したいと考えている。ともかく、これから先、かつてのように頻繁に更新することは難しいと自分でも感じている。

ただ、これまで書いて来たことを、たまに読み返すと、自分が書いた文章なのに、とてもためになったり、ときに勇気づけられることもあるから、以前ほどの、更新回数は難しい状況になると思うが、適度にお付き合いを頂ければ幸いである。

掲載日:2014年8月20日(水)

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