客室乗務員の労働環境 その1 2014.08.23
女性の客室乗務員の勤務を邪魔してはいけないと思い、その旨を伝えたが、乗客の方との会話は構わない時間帯だということなので、つい話し込んでしまったのだが、最後には労働環境の話になった。彼女が言うには、客室乗務員が行なう機内の作業は、端から見た目だけではわからないほど、かなりきついという。
特に長距離の国際線は、飛行時間が10時間以上にも及ぶし、時差が身体に与える影響も大きく、到着地では最低2日間の休息が得られるものの、心身への負担も大きいらしい。また、機内食を運ぶカートも予想以上に重く、飛行機が巡航状態に入ると機首を少し浮かせて飛ぶので、前へ移動するときに特に力が要るという。
その女性は30代前半くらいだろうか。以前は、日本の航空会社に勤務していたらしいが、いろいろな経緯から、ルフトハンザへ移ったようだ。いろいろと話すうちに、労働時間についても訊いてみたところ、ドイツでは、宇宙からの放射線の影響を考慮して、客室乗務員の月の労働時間を最長で90時間と決めているという。
しかし、ルフトハンザは自社の規定において、ドイツ政府の指針よりも9時間少ない、81時間としているとこのことだが、実情は平均で60時間だそうだ。一般の人の一日の労働時間を8時間とし、月の労働日数を22日と仮定すると、月の労働時間は約180時間となるから、月60時間勤務は、その3分の1である。